現代思想2001年10月号 特集=オートポイエーシスの源流F・ヴァレラの思想圏

Ｆ・ヴァレラの想いが直で読めます。まさに源流、感動的です。４つの直の語りのうち、とりわけ「生物学的自律性の諸原理／Ｆ・ヴァレラ」（第一部のみ）について、訳者の染谷昌義、広野善幸の両氏によれば、「オートポイエーシス」「智恵の樹」「身体化された心」の三書は共著であるのに対し、本書は単著であり、彼の思想の骨格そのものが力強く書き切られている、とのこと。確かに「智恵の樹」のような平易な語りですが、想いの強さは倍増されて伝わってきます。それはヴァレラが社会システムの不備ゆえに弱者に追いやられている同胞のために闘う、社会活動家でもあったから・・・。２００１年５月２８日、５４歳で逝去したＦ・ヴァレラの若すぎる死が、本当に残念でなりません。