図解 燃料電池技術-本格普及のための材料・応用・インフラ開発-

燃料電池開発情報センターは燃料電池技術開発を目的として１９８６年に設立されてから約３０年近く燃料電池システム導入・普及促進に貢献して来た。燃料電池政策研究者の一人として興味深く楽しく読ませていただいた。燃料電池に関する出版物は数多くあるが、本書は 多くの読者を対象に書かれた希少な本で政府燃料電池政策関係者、燃料電池研究者、産業界の方々、一般読者、それぞれに対して異なった面白さと意義を分かちあえる。本書は政府燃料電池政策関係者が過去にとった燃料電池政策が現在の技術進歩と将来の普及に直結していることを示す。燃料電池研究者や産業関係者は長年の研究開発の努力と苦労が今有望な技術になろうとしていることを実感するであろう。また本書は専門家以外の読者にも容易に理解が行くよう懇切丁重に書かれている。読者はこれからも燃料電池本格普及と水素社会実現にはまだ少なからぬ研究開発努力が必要であることを知りその努力がどの様なところでどの様に行われるのか紹介説明を受け燃料電池の将来への新たな興味と期待を持つことであろう。